「けさ、私は、この豊かな美しい国で孤独な人を見ました。 この豊かな国の大きな心の貧困を見ました。」
「カルカッタやその他の土地に比べれば、貧しさの度合いは違います。 また、日本には貧しい人は少ないでしょう。」
「でも、一人でもいたら、その人はなぜ倒れ、なぜ救われず、その人に日本人は手をさしのべないのでしょうか。 その人が飲んだくれだから! でも、彼もわたしたちも兄弟です。 本人はきっと孤独でしょう。 みなから無視されての……。 やけ酒かもしれません。」
「私は、短い間しか日本に滞在しないので手を貸してあげるのは、せんえつだと思い、何もしませんでしたが、もし、女の人が路上に倒れていたらその場で、語りかけたり、助けていたと思います。 豊かそうに見えるこの日本で、心の飢えはないでしょうか。 だれからも必要とされず、だれからも愛されていないという心の貧しさ。 物質的な貧しさに比べ、心の貧しさは深刻です。 心の貧しさこそ、一切れのパンの飢えよりも、もっともっと貧しいことだと思います。 日本のみなさん、豊かさの中で貧しさを忘れないでください。」
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